24GHzの周波数帯の中から特定の電波だけを200m手前から拾う高性能のレーダー探知機を開発。
自動車関連メーカー B社様 レーザー&レーダー探知機
開発データ
- 製品分類
- 車載機器
- クライアント様業種
- 自動車関連メーカー
- 当社提供サービス
- 設計・開発/製造
- 開発内容
- 誤報を低減し、200m以上離れたところから特定の電波だけをほぼ正確に受信できる探知機の開発
開発の背景
24GHzの周波数帯を持った機器が溢れ、誤った警報を出してしまう。
車の装備品や車載機器を扱うB社様から速度取り締まりに使われるオービスのレーダー探知機の開発をご相談いただきました。お困りだったのが、オービスを感知する際の誤警報でした。電気機器が増えた現代社会は、様々な電波で溢れています。自動ドアや自動販売機などオービスと同じ24GHz(ギガヘルツ)の周波数帯の電波も多く、車で走っているとそういった電波も一緒に受信してしまいます。電波の発信源をきちんと見分けることが求められており、最初は実現は不可能ではないかと思いましたが、「まずはやってみる」というのが我が社のスタイル。とにかく挑戦してみることにしました。
開発ストーリー
200m以上離れた地点でもオービスの電波信号を区別する回路設計。
開発にあたり、まずオービスがある現地に出向き、電波計測機を使ってオービスからどのような電波が飛んでいるかを解析してみました。オービスの中でも周波数が10GHz帯と24GHz帯と分かれており、携帯電話などは800〜900MHz(メガヘルツ)など他の周波数帯との違いを見つけるのはもちろん、当社独自の回路設計により、オービスと同じ24GHz帯の自動ドアや自動販売機との違いを検出することに成功しました。
また、ただ周波数帯の区別ができるだけでなく、いち早くオービスであることを正確に判断することが今回の開発の鍵でした。それを可能にするため試行錯誤しながら回路設計に取り組み、200m以上離れた地点からでも正確にその違いを把握できるレーダー探知機を開発しました。これは他社製品にはない性能になり、現在特許申請をしているところです。当社はもともと無線で技術力を磨いてきた会社です。その無線技術で培ってきた解析力、そこから製品を生み出すことには自信を持っています。
当社の強み
最初から最後まで一貫して作ることで、細かな要望を可能にする力。
当社は20年以上の間レーダー探知機を作り続けていますが、常にオービスも進化しており、それに対応することも日々求められています。それに応えられるのも無線技術で培ってきたアナログの技術があることと、一貫した生産体制があるからです。
レーザー式の探知機もその一つ。2019年にレーザー式の小型オービスに反応する探知機を開発しました。電波とも違う目に見えないレーザーが、その波長を連続で出しているのか、単発に出しているのか、その波長の種類やパターンを調べるところから開発を始めました。B社様の製品は、新型レーザーにも対応しているほか、GPSの位置データが21万件入っています。速度取り締まりのポイントだけでなく、サービスエリアの位置やスクールゾーンや高速の合流箇所のお知らせ、または加速度センサーをつけて急発進や急ブレーキをしてしまった場合の安全運転を案内するアナウンスが出るようになっています。どのようなアナウンスをすれば、ドライバーのみなさんがより安全を意識した運転ができるかを常に考えながら製造しています。
製品性能の競争も激しくなり、より小型化や高性能化を求められる時代。それに応えていくために、約15年前からそれまで外注に出していた製品の基礎となる基板CADも自社でできるようにしています。製品の根本となる基板CADも、細かな注文をその都度外注に出すと当然コストがかかります。それを自社で行うことで、より低コストでご提案できるようになりました。
部品調達から製造全般、納品まで。当社は、その全てを一貫して行うことができます。細かな要望に応えていける製品作りをこれからも心がけていきます。