ダイキャストや放熱板の設計でノイズ軽減し、小型でありながら誤作動の少ない信頼性を獲得。高い設計力が可能にする業界最先端のドライブレコーダー。
自動車関連メーカー C社様 ドライブレコーダー
開発データ
- 製品分類
- 車載機器
- クライアント様業種
- 自動車関連メーカー
- 当社提供サービス
- 設計・開発/製造
- 開発内容
- 小型で低コスト・高性能な新型ドライブレコーダーの開発
開発の背景
高画質、ADAS対応、小型化、低ノイズ…。
求められる高性能と高品質。
高齢化社会の中で心配される事故の増加や、煽り運転などの危険運転行為の増加。様々な状況の映像を残し、安全安心な交通を守っているのがドライブレコーダーです。当社は、ドライブレコーダー国内シェアトップレベルの自動車関連メーカー C社様にご依頼いただき、最先端のドライブレコーダーを作り続けています。
ドライブレコーダーが一般化されてきたのは2010年代。最初は進行方向の事故を確認できる前方カメラから始まり、煽り運転など後方を映すことができる後方カメラ、そして車内も含めた360度カメラと映像範囲は広域化してきました。さらに、映像処理の美しさ、低ノイズ、小型化、WiFi、車両本体の進化に合わせたADAS(先進運転支援システム)対応。消費需要が急速に伸びてきた業界だけに、製品の性能に対する要求レベルは年々上がってきており、最近ではより小型で誤作動が少なく、かつ低コストの製品が求められています。
開発ストーリー
検証・分析を繰り返しながら回路や部品を最適化。課題となる熱の問題も克服し、製品の高性能化と小型化の両立を実現。
様々な点で、ドライブレコーダーの性能を上げてきました。映像も2010年以前は30万画素だったものが、2010年代初めには100万画素に、その後も現在の主流となっている200万画素に。より正確な記録映像を残すため、トンネルでの明暗の切り替えや、逆光時や夜間といった撮影が難しい条件下でもきれいに映るような映像処理も可能にしてきました。
小型化も当社が向き合ってきたテーマでもあります。安全運転を可能にする車の高性能化が進み、以前はドライブレコーダーをつけるスペースに余裕がありましたが、車両のフロントガラスも車両自体にADASに対応したセンサーが設置させることがあり、運転の支障にならないように限られてきています。このような状況に応えていくための小型化ですが、その一方で課題になったのが熱放射でした。高性能化が進むと消費電力は増えて熱が溜まりやすくなります。誤作動の原因になる熱はできるだけ逃したいのですが、小型化によって物理的な空間が狭くなることで熱放射が難しくなるのです。
この問題を解決するため、ダイキャストの形状や放射板をどのように配置することで少しでも空気の流れを良くして熱を冷ますことができるかを何度もシミュレーションしました。これに加え、自社で部品を調達していることを生かし、部品の小型化や回路の最適化が実現しました。その結果、消費電力を抑え、誤作動のない製品を小型にしていくことを可能にしました。
当社の強み
機構設計、回路設計、ソフトウェア設計、三位一体の設計が誇る高い信頼性。
当社にご依頼いただくドライブレコーダーの多くは、ディーラーのオプションとして使われています。当然求められる品質基準も高く、それに応え続けてきており、設計力には自信を持っています。
設計には、形状的な機構設計、基板の回路設計、ソフトウェア設計の3つがあります。回路設計ではノイズや発熱の原因解析や、静電気の発生による誤作動を防ぐ対策の検討、部品のコストダウンも含めて設計します。ソフトウェア設計についても社内の評価部隊で検証してバグが出ないかを十分に検証しますが、そのバグを洗い出すところから修正までを全て社内で対応しています。内部で対応することでソフト面とハード面の両方から「コストを抑えるためにソフトでこのような制御をしてほしい」など要望を出し合え、すぐに実行できる環境があります。
実際に、設計部門と工場が歩いていけるほどの距離にあり、設計担当がすぐに工場に出向いて現場で相談・確認することは日常的に行われています。お互いがより良い設計をするためのコミュニケーションが取れることで、設計時点でのミスが少なくなります。こうした日々の緊密な連携が信頼性の高い設計力を生んでいると思っています。