プレスリリース

車載技術を応用した施設園芸ハウス用4G搭載IoTカメラ開発と活用実証実験に成功

株式会社鳥取スター電機及び鳥取コスモサイエンス株式会社(鳥取スター電機グループ:本社鳥取市 代表取締役 山下 久志)は、高知県が10ヶ年計画で推進する「“IoP(Internet of Plants)”プロジェクト」事業の施設園芸(※1)農業のICT化におけるIoT情報基盤となる「IoPクラウド(通称:SAWACHI)」の利活用を促進するための実証事業(※2)に厳正なる公募の結果採択され、提案した4G搭載IoTカメラ開発とビジネスモデルの実証(※3)実験を実施し成功させました。

右:圃場設置の様子/左:設置箇所(赤丸)

※1:ビニルハウスなどの施設及び環境制御設備を利用して野菜,花卉,果樹などを栽培する園芸
※2:令和5年度データ連携基盤活用実証事業委託業務(革新型)
※3:「画像解析AIとすぐにつながるカメラによるAI駆動型農業を始めよう!~IoPクラウドの眼となる工事不要の普及型クラウドカメラ開発とAI駆動型システムとの掛け合わせによるビジネスモデル実証~」

開発目標を達成

国内でも初となる本格的な施設園芸ハウス向け4G搭載IoTカメラ開発を行い、4G通信モジュールが一体化されたカメラの特徴である「電源に挿すだけで直ぐにつながる」プロトタイプ機を完成させました。車載技術を活かした他の産業と共通のカメラハードウェアプラットフォーム(SkyBird Link)を開発ベースに採用することで開発リスクを極小化し、短期間のうちに施設園芸向け専用カメラ装置の原型開発に成功しました。

ビジネス化に向けた製品価格目標を達成

車載製品と共通化された部品調達から設計製造までの一貫体制を有する大量生産型ODM事業者として、圧倒的な量産効果が活かされた「最廉価想定価格」を導き出すことに成功しました。(4G搭載一体型 / 2カメラ / 防滴・結露対策 / 工事不要で、製品化時「5万円以下」)

過酷な施設園芸ハウス環境下での信頼性と有用性を確認

実際の栽培期間中の施設園芸ハウス(高知県下15箇所)に設置した実証実験では、高温多湿かつ結露が発生する環境下において長期間の耐久性と信頼性が確認できました。同時に車載カメラ技術を活かした鮮明な画質に関する高い評価の声が多く寄せられました。

生理生態AIや花数実数AIとのシナジーを確認

県下の施設園芸ハウスからリアルタイムにIoPクラウドに連携された植物体画像をIoPプロジェクトで開発された「生理生態AI・花数実数AI」で処理させ、栽培期間における長期的なAI情報の蓄積とデータ駆動型農業の発展に寄与できることを確認しました。安定して定期的に現場の変化を撮影できるカメラとAIによる解析技術の融合により、現場が画像で確認できるだけなくAIによる付加価値創造のシナジーも確認できたことは、他産業他分野での応用も期待されます。

今後の展開

今回のプロトタイプ開発の成功をベースに、製品化に向けて既に複数の戦略的パートナーとの連携を進めています。4G搭載IoTカメラという独自性の高い製品価値を他分野他産業へ拡大することで更なる量産効果を生み出し、全国で急速に普及しつつあるデータ駆動型農業や画像分析AIテクノロジーの発展に寄与していきます。

量産試作モデル(寸法:D33×W112×H65 mm)

IoPクラウド “SAWACHI”とは

IoPクラウドとは、IoTで接続した園芸用施設内のデータや高知県全体の農産物出荷データなどを、一元的にリアルタイム集約する、「世界初となる本格的な施設園芸農業向けのIoTプラットフォーム」を標榜したクラウド型データシステムです。内閣府が推進する地方創生政策の一つである地方大学・地域産業創生交付金を活用した整備が進められ、2023年7月には県下の生産者ユーザが1,000人を突破し、高知県が推進するデータ駆動型施設園芸農業の礎になっています。


関連リンク

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000136166.html

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